8周年/サリドマイドの承認とVEGF検査キットの製造販売承認
何周年!と祝うものでもないかもしれませんが、今日、2021/3/21で、POEMS症候群との診断がついて、ちょうど8年になりました。早いもので、という気持ちもあれば、多くのことが思い起こされ、色々詰まった8年だなという気持ちもあります。
こういう書き出しは、キリよく10周年!というタイミングに取っておこうと思いますが、今年は、このタイミングで、待ち望んでいたニュースが入ってきたので、ここに書いておきたいと思います。
1つは、サリドマイドの承認です。
サリドマイドは、1950年代以降、睡眠薬や鎮静剤として使用された薬ですが、重大な薬害被害を引き起こし、販売停止されていました。その後、2008年になり、多発性骨髄腫の治療薬として再承認、POEMS症候群への効能も期待されて2010年から治験が行われてきたものです。これが、2月24日に正式承認され、今後、サリドマイドを使用する治療にも保険適用されることになりました。
もう1つは、血清VEGF検査キットの製造販売承認です。
(記事:免疫生物研究所、体外診断用医薬品「VEGF ELISA キット『フジモト』」の製造販売承認を取得)
POEMS症候群の診断に血清VEGFの測定が有効ではないか、という検討がされてきましたが、保険がきく検査ではなく、都度1~2万円の費用負担が発生することや、必要性の有無などの理由により、測定に至らない場合も多いと聞きました。前掲の3月9日付の記事では、血清VEGFの測定キットを開発し、その製造販売承認が得られたという製造元(免疫生物研究所)のプレスリリースを報じています。また、製造販売元の藤本製薬により、保険適用も申請されているということです。
POEMS症候群を取り巻く状況は、近年とても改善されてきたといわれており、それを実感していますが、一方で、病状が重くなったり、亡くなる方もいらっしゃり、本当に悲しくなるとともに、この病気の重篤さも実感しています。今回承認されたサリドマイドや検査キットにより、POEMS症候群の早期診断や、有効な治療が受けられる状況が、よりよくなると期待しつつ、ここまで漕ぎ着けるために尽力いただいた医療関係者の方々には感謝してもしきれません。
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